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ビッグデータの価値を解放する!イスラエルのスタートアップビジネス最前線


イスラエル人は既存の仕組みに従わない

イスラエルのハイテクスタートアップといえば、優れた技術者集団というイメージをお持ちの方が多いだろう。

もちろんその技術力を否定するつもりはない。

しかし以前にもお話した通り、私は多くのイスラエル人起業家と付き合ってきて、彼ららしさやその魅力は他にあるのではないかと考えるようになった。そして彼らの斬新なアイディアの裏には、ビジネスにかける共通のマインドがあると気がついた。それはイスラエル人らしさそのものといっても良いかもしれない。

イスラエルで成功するハイテクスタートアップのビジネスは、権力や巨大企業といった既存の仕組みに刃向かうという姿勢が根底にあるのだ。

前にご紹介した、バイバーの元CEOタルモン氏のビジネスがまさにその良い例だ。

バイバーは国や通信業界の規制や個人情報の取り扱い、表現の自由や知的財産権などのルールへの挑戦であったし、彼がその後立ち上げたタクシー配車サービス「JUNO」も運転手に株式を発行するという斬新な手法で大手競合のUberと闘った。

とにかく既存の仕組みから真っ向勝負を挑むのだ。

私はイスラエル企業と取引を行うにつれ、ビッグデータ関連のビジネスにはその姿勢が顕著に現れているのでないかと思うようになった。

注目される”ビッグデータ活用”ー本当の価値を発揮するには

最近イスラエルのハイテクスタートアップが注目しているテーマといえば、ビッグデータ活用やブロックチェーンにまつわるものが挙げられる。これは日本でも同様で、興味を持っている方は多いだろう。

しかし、この”ビッグデータ活用”については騒がれ始めて数年経つものの、実際にビッグデータを最大限活用し成功した企業がどれほど現れたか。大体はデータ活用の仕方がわからず使えていないというのが実態ではないだろうか。

そもそもビッグデータ活用とは、自社が持つ大量のデータを解析することではなく、市場全体の(競合も含めた)データを対象に解析して打ち手に活かすことである。

ところが、ビッグデータは誰にでも使える状態にはなっていない。

ITの世界を例にとると、某G社、A社のようにインターネット関連のサービスと製品に特化した巨大企業が存在する。豊富なデータを蓄積し自在に活用できるのは、こうしたほんの一握りの企業の特権である。

車業界もしかりで、ライドシェアリングサービスの最大手として世界中に拡大している「Uber」も、シェアリングエコノミーという側面にフォーカスされがちだが、市場の自動運転化の波にあわせて関連するデータの取得に動いている。

このように、活用以前にデータの収集力に企業間の圧倒的な格差があり、今のままでは埋まらない。

ビッグデータを本当の意味で使い、価値を発揮できるようにするためには既存の仕組みから解放することが求められるのだ。

巨人に立ち向かう!イスラエル魂溢れるハイテクスタートアップ

こうしたデータ所有の格差に切り込み、既存の仕組みを壊そうとしているのが、イスラエルの起業家たちである。

話すと、彼らは自社の利益を追求するばかりでなく、広い視野を持ってビジネスを展開していることがわかる。自由競争を生み出し、市場を成長させていくことをとても重要視しているのである。

そして、そのためには”巨人”とも言える巨大企業や既存の仕組みに真っ向から立ち向かうイスラエル魂で突き進んでいくのだ。

そうした信念に裏打ちされたビジネスの突破力や開発スピードには目を見張るものがある。

少なくとも、私たちJakoreの取引先であるイスラエル企業には、共通してそうした姿勢が見受けられる。とても魅力的な企業ばかりである。ご存知の方もいるかもしれないが、この機会にご紹介したいと思う。

次週から数回にわたりご紹介していくので、どうぞお楽しみに!

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